その他漢字と仮名の使い方3
- 更新日:2019年02月27日
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広報日の里2019年3月号から転載
副詞の使い分け
動詞を修飾する副詞は多数あります。名詞を修飾する形容詞より多用されるのも、生物すべての動作に絡む役割を持つ品詞であるからでしょう。用語集には、音読みと訓読みに分けて音読みと訓読みに分けて使い分け一覧表が載っています。本紙に寄せられる記事原稿にもよく使われています。頻度の高い品詞ですから、音読みと訓読みに分けて列挙します。「これ、漢字は使えないのか」と思う語も、「へー、使っていいのか」と意外に思われる語もあるでしょう。再確認の道案内になれば幸いです。
音読み
案外 案の定 一概に 一向に 依然 一切 一応
一散に 一層 一斉に 一番 一遍に 決して 現に
厳に 今後 今度 早速
散々に 次第に 重々 実に 十分に 従来 切々と
切に 随分 全然 大概
大して 大層 大体 大抵
大変 多分 断じて 単に
同時に 体よく 到底 特に 途端に 非常に 本当に 万一 無理やり 無論
毛頭 優に 余計に 余程
へー、これは使えるのかと思うようなのが使えるかと思うと一途、精々、折角、是非、沢山、丁度、勿論などは使えない。特にルールのようなものがうかがえませんが、要するに本来の意味ではない、当て字の類は使わないということです。
訓読み
新たに 余りに 改めて 併せて 至って 今更 得てして 大いに 恐らく
主に 必ず 重ねて 辛くも 辛うじて 仮に 極めて 殊更 殊の外 幸い
盛んに 更に 強いて 少なくとも 少し 既に 絶えず 互いに 巧みに 直ちに 例えば 度々 努めて 常に 露程も 何分
何程 何故 何ら 初めて
果たして 甚だ 再び 程々に 誠に 全く 真っ平 丸々 最も 専ら
夢にも 割合に 割に
何故はなにゆえと読みます。なぜと読ませたいときは、平仮名でなぜと書きます。「予て用意の」のかねては、平仮名でかねてと書きます。予てをかねてとは読みません。漢字と仮名の使い分けは、副詞が最も難しいかもしれません。頻度の高い品詞だから、つい手拍子で書いて間違える場合が多いのです。自分史を書こうと思っておられる方は、用字用語集を手元に置いて標準的な文字遣いをなさるようお勧めします。門外不出、誰にも見せないおつもりならばどうお書きになろうとも結構ですが。(終)