その他われらの仲間・青少年指導員会
- 更新日:2019年01月30日
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広報日の里2019年2月号から転載
非行に走った青少年を引き戻し、染まろうとしている若者にはストップをかける。その役割を自発的に務めている有志が青少年指導員である。日の里には19人の指導員がいて日夜若者に目配りをしてくれている。その会長を柳瀬幹雄さんが務めている。
平成8年に3丁目町内会長を務め、地域奉仕は1年で御免をこうむるつもりだった。ところがそのころ、春日市で中学生が小学生を殺害する事件が起きた。遠くの町での出来事だったが柳瀬さんは衝撃を受けた。町内会長を退任すると直ちに青少年指導員を志願した。
折しも青少年非行の増加と非行の低年齢化が社会現象となり、憂うる声が高まっていた。日の里もご多分に漏れなかった。柳瀬さんが日の中PTA会長を務めた平成初年当時は、県下で最も優秀な学校ともてはやされていたのはもはや過去の話で、並の中学校と同様に非行生徒が闊歩するようになっていた。グループを組んで駅前にたむろし、鴨を見つけると恐喝する事件が珍しくなかった。
非行少年が団地を横行
バブル崩壊で家庭環境が悪化したのに子どもたちは敏感に反応したのが響いた。指導員会長に就任した翌年の平成14年が、全国でも青少年犯罪のピークだった。
折も折に大役を引き受けると、熱心に補導にあたった。駅前で酒盛りしていた不良グループに飛び込んで酒、料理を蹴倒し、後片付けを命じたこともある。北九州や筑豊から出張ってきたワルも大きな顔をしていた。町内会単位のパトロールを一本化して合同パトロールに切り替えた。駅前でとぐろを巻いていた連中に「おいさんたちと一緒にやろう」と掃除に誘い込んだら効果てきめん、広場も少年たちも見違えるようになった。県は善行少年賞を贈って報いた。15年には駅前や1丁目高層下にとぐろを巻いていた不良たちが姿を消した。駅前の花いっぱい運動も以前のワルたちが先頭に立って推進した。
町内パトで不良を追放
「かつての不良がかった若者に、おいちゃんと声をかけられると、ああ、やってきてよかったなという思いを強くします」としみじみ述懐する。少年期の非行を反省して転向した者ほど真面目な者はいない。
国道3号の王丸交差点そばで喫茶店「カナダ館」を経営している。「若いときに剣道をやっていたので距離を詰めて声をかける間合いの取り方が分かるのでしょうね」「目線は低く、目線を優しく、が若者に接するときの心得です」と説く。高圧的な態度で若い部下を睥睨するおっさんは、もって範とするがよろしかろう。指導員と少年が一緒に清掃