その他われらの仲間・日の里東小子育てサロン
- 更新日:2018年11月30日
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広報日の里2018年12月号から転載
28畳敷きの広い部屋に10人あまりの幼児が思い思いに陣取って遊びに夢中になっている。走りまわる子、縫いぐるみの人形を相手に話しかけている子、畳の上に寝かされておとなしくしている子、おもちゃの台所を飽きもせず扱っている子、誰一人泣き出したりぐずったりしないで自分の世界に没頭して遊んでいる。
毎月10日前後の学校の日に開く日の里東小子育てサロンの10月度例会の日の情景である。この日、ゼロ歳から3歳未満の子がお母さんに伴われてやってくる。10時から2時まで、広い部屋を動きまわり走りまわる子を視野にいれながら話に花を咲かせる。子育てサロンの野田美子代表以下7人のメンバーが、わが子のように惜しみなく愛情を注いで保育してくれるから、お母さんもしんそこ解放感に浸れる日である。
子育てサロンは平成18年に発足した。野田さんは学童委員を長年務めたのち定年後は民生委員、主任児童委員に選ばれて地域の福祉に貢献してきた。若い母親が育児に苦労している姿を見聞きする機会が多いことから、助け舟を思い立った。保育所に入れない子や幼稚園に入れない3歳未満児を相手にする場をつくろう。思い立つとすぐ動き、平成18年、当時の東小校長の協力で子育てサロンが発足した。今の校長で5代目だが、「歴代校長が理解してくださり協力的だから助かります」と野田さんは喜ぶ。サロンに来る子たちも3歳になると幼稚園に移る。その3年後には東小に入学する。校長も親身になるだろう。
「子は国の宝」という標語があった。戦時色がつきまとうので死語になったのは是非もないが、時代の行く末を思えば今こそ子どもを社会ぐるみで育て、見守って行かなければならない時であろう。そう思わせる力がこのグループにはある。「子がいない私が子どもにかかわる活動ができるのがありがたい」とキャップの黒木幸子さんは10年の経験を積んで、元気にチームを牽引している。