その他 われらの仲間 福祉会
- 更新日:2018年05月31日
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広報日の里2018年6月号から転載
昭和62年、宗像市内で一人暮らしの高齢者の孤独死が数件発生した。相次ぐ悲惨な状況に衝撃を受けた自治会長たちが協議し、高齢者の見守りや訪問をするボランティア団体を設けることにしたのを受けて平成2年4月、日の里にも福祉会が発足した。きめ細かく見守りをするにはもっと小単位の組織にする必要があるため、平成6年に町内単位に組織替えした。
日の里地区福祉会は、町内会長、主任福祉員、民生委員で組織し、町内の高齢者情報を交換し共有する。おもちゃ病院やシルバー農園は、高齢者が腕前を披露して生きがいを感じる機会だ。晩秋にメイトムで開催するふれあい昼食会は、独り住まい高齢者の元気をしっかり充電する。
町内会福祉会は、12町内ごとに組織している。身近に住む福祉員が見守りや声かけをし、ふれあいサロンやバスハイクに誘うなど接触を怠らない。引きこもりがちな高齢者を二段構えで福祉員の視野にとどめるようにしている。
高齢化は加速している。孤独死続発が衝撃を与えた当時は、65歳以上は5%強だったのが、現在は約35%である。その反映で高齢者世帯が5割を占めている。高齢者の増加と孤立化で地域の活力は低下し、近所付き合いが希薄になって孤独死を招く。福祉会がその防止策として進めているのが「向こう三軒両隣ネット」である。
高齢者、特に一人住まいの人は、隣近所が見守りをし、声かけする。回覧板を渡すときはいい機会だから顔を見て渡す。組長は広報紙配布のときに声をかける。福祉員も老人クラブの会員もおりおりに声をかける。こうして多くの人が動静を見守っていれば孤独死も防げるだろう。
「若い団地の見本だった日の里も、今や高齢化社会の典型です。それでもなお安心安全な住宅地であり続けるために、福祉会は会員の補充に努めながら頑張ります」と語る大平洋司会長自身73歳ながら、精力的に活動を続けてくれている。