その他われらの仲間・日の里子育てサロン
- 更新日:2018年04月27日
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広報日の里2018年5月号から転載
日の里中学校を拠点にして、活動している。日の里には東小子育てサロンと西小校区のひのっこサロンの2か所があるほかに、中学生を対象にしたグループが活躍しているのが、あまり例のない特色である。
平成12年に就任した原田慎太郎市長は、河東小学校長、教育長を歴任した経験から、中学生に子育て体験をさせる教育の導入をリードした。
少子化時代で弟妹のいない生徒が増えた。幼児の面倒をみる経験をすることで育児の大変さ、育てる側の献身。性教育、親への感謝など諸々を学ぶことが出来るだろう。そうした見地から就任翌年の13年、日の里中学校に生命を大切にする授業と銘打ち、3年生の家庭科に導入した。
原田市長は2期目の半ばで急死したが、後任の谷井市長が遺志を継いで推進してきた。3年生は6月、9月、11月の3回、学校で毎月開かれている子育てサロンに合流する。
教師とサロンのスタッフの助言を受けながら、幼児の相手をする。とはいっても無邪気な幼児に遠慮はないから、少子化時代で弟妹のいない家庭に育った生徒には良い体験である。
授業には妊婦体験もある。「精子と卵子の出会いで受胎し、それから出産までは約10か月、280日です。遊びで精子を卵子に結合させてはいけません」生意気盛りの中3も、真剣な面持ちになる。
「出産直前、赤ちゃんとその保護役をしている羊水を合わせると8キロもあります」の口上のあとでその重さの装具をつけさせられた男子は、靴下を脱ぐのにおなかがつかえて一苦労。産みの大変さの端っこをかじっただけで実感がわいたようだ。
「二代の市長の先見の明で、宗像市が中学校の生徒で幼児との触れ合いを体験させてくださっているのは、とても意義深いことです。私たちも継続していきます」日の里子育てサロン開設者である棚橋美智子代表は語る。