その他日の里夜話③
- 更新日:2021年06月25日
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広報日の里2021年7月号から転載
公団アパートの爆発火災で住民を震撼させた事件から10年たった平成10年、こんどはイノシシで日の里が再び世間をどよめかせた。
屠蘇気も抜けた1月21日夜、9丁目の貯水槽近くで犬の散歩をさせていた住民が、数頭のイノシシと遭遇した。急報を受けた宗像署は直ちに態勢を整えた。
署員を非常呼集し、猟友会と消防団からも100人の応援を得た。団地内は禁漁区だが、市は有害鳥獣駆除として許可した。
貯水槽周辺に逃走防止のネットを張って追い立て、逃げ込んだ5頭を射殺した。残る10数頭は住宅地に突進した後、雑木林に飛び込んで行方をくらました。
関西以西では最大の団地とされていた日の里にイノシシが出没し、射殺されたのは、新聞テレビにとって意外感いっぱいの材料だから、全国的に報道した。
西小学校はこの日、児童を集団下校させた。奥さんたちも買い物を控えたり、何人か連れ立って行ったりとか、用心をしていた。
イノシシの出自について話に花が咲いた。出身地は、筑豊だろうという説が有力だった。イノシシ世界にも日の里は危険だという情報が広がったのか、それからは出没の情報は聞かない。
と、思っていたら、3丁目で目撃したといううわさが、3年ほど前に広がった。私も古墳公園に行ってみた。折よく道を挟んだ前の家から奥さんが出てこられたのでお尋ねしたら、「ええ、いますよ。仔が出てきて、かわいいですよ」とのたもうた。
その後は聞かないが、数年前には赤間海老津間でJR電車にぶつかって運行をストップさせた例があるから、たかがイノシシとなめるのは禁物である。