その他日の里 寄り道 散歩道 ⑩ 宗像ユリックスへ
- 更新日:2020年03月26日
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広報日の里2020年4月号から転載
東郷駅前から8丁目交差点を左折して東に約20分歩きます。東小学校横を通り団地を出ると左右に田畑が広がって一気に景色がかわります。ここで深呼吸をするとよい。
右手(南)の奥が平清水で貴船神社が鎮座します。昔から清水がこんこんと湧き出るのでこう呼ばれるようになったといわれています。
ユリックスの屋根が見えて手前にモッコリとした小山があります。これが「久原澤田古墳群」です。よく質問されるのは「ユリックスを建てる時にモッコリを作ったのですか?」。いえいえ、そうではなく古墳を含む久原遺跡の中に宗像ユリックスを建設(1988年開業)したのです。
85・86年に史跡整備工事を行い、古墳時代の前方後円墳1基と円墳3基を盛土復原しています。88年、約5000㎡が「久原澤田古墳群」として市の史跡に指定されました。
久原澤田古墳群
古墳は6世紀頃の築造で、前方後円墳(久原Ⅱ3号墳)は墳長45m、後円部径26m、前方部幅20mもあります。(前に書いた東郷高塚古墳より墳長は20mほど小さく、築造は100年以上新しいようです。)上から見下ろすと溝を確認でき、雨水を西側に逃がすように作られています。内部は、単室横穴式石室という構造です。出土は、円筒埴輪・人物埴輪・家形埴輪・馬鈴・鉄器などです。
また、メイトム宗像あたりには、「久原瀧ヶ下遺跡」がありメイトム宗像の建設時に発掘調査を行いました。古墳時代の竪穴住居や中世の建物、墓が確認され中世まで続いた大規模な集落遺跡であることがわかりました。説明の碑の写真で遺跡の様子がわかります。
これら遺跡の出土品の一部は、海の道むなかた館(宗像市深田588番、月曜休館、入館無料)の常設展示室で見ることができます。
古墳の回りと、遺跡あたりを巡る。説明板(碑)を読んであれこれ想像しながら時を過ごすとあっという間に一時間です。さあ出かけましょう。〈船〉