その他日の里 寄り道 散歩道 ⑨ いせきんぐ宗像へ行こう
- 更新日:2020年02月27日
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広報日の里2020年3月号から転載
日の里を東の端から西の端まで、JRの線路に沿って歩けば約50分です。気づいたのは県道へ抜ける道が結構あること。線路をまたいだり、くぐったり、遮断機があったり。車が通れる所、歩行のみの所など約十カ所。県道に出て「いせきんぐ宗像(田熊石畑遺跡歴史公園)」へ行こう。
国史跡田熊石畑遺跡は、2010年に指定された、弥生時代~古墳時代(紀元前3世紀から紀元6世紀頃)の遺跡です。遺跡は、1933年(昭和8)に宗像高等女学校に赴任していた田中幸夫教諭によって運動場の拡張工事の際に発見され、学生らの参加によって調査が行われました。これが宗像地域で最初の考古学的な発掘調査です。とパンフレットにありました。
遺跡公園としては2015年にオープン。多目的活用広場、環濠と貯蔵穴、菜花園、掘立柱建物、カヤ場、竪穴住居、区画墓、体験広場、弥生の杜、粘土採掘坑跡、寄合処、宗像郷土館跡などが整備保存されています。
大発見と見どころ
2008年の教育委員会の調査で、公園の南西角(区画墓エリア)で弥生の有力者の墓9基が発見されました。6基の木棺墓から合計15点の武器型青銅器が見つかり、これは大発見でした。発掘品は海の道むなかた館の特別展示室に展示しています。3基は民有地にかかっているため未発掘です。地味ですが興味深いことも。古代は照葉樹が繁っていたと思いこんでいましたがそうでもなかったのです。田熊石畑遺跡調査報告の「自然科学的分析の概要」に、花粉分析―弥生時代前期から中期にかけてマツ属花粉が多産した。随伴する種類にはコナラ亜属などの落葉広葉樹、シイ・カシ類等常緑広葉樹が認められた。微細物分析―マツ科を主体とする炭化材や落葉広葉樹のサクラ属近似種・常緑樹のサカキがわずかに産出したとあります。なんと、マツ・コナラ・シイ・カシ・サクラとススキなど多様な植生です。想像するだけで楽しい。〈船〉