その他日の里 寄り道 散歩道 ⑦ 団地の中の矢房神社
- 更新日:2019年12月26日
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広報日の里2020年1月号から転載
日の里3丁目に矢房(やふさ)神社があります。ココカラひのさとから東へ歩いて約25分、東郷高塚古墳を過ぎてすぐです。3丁目バス停からは第3号公園を通り越して5分ほど。歴史ある神社で、この神社のまわりに日の里団地が造成されたということです。
拝殿に矢房神社と合祀の伊久志神社、貴船神社の祭神の表示があります。江戸中期の『筑前国続風土記附録』東郷村矢房宮には、
神殿方一間・拝殿二間三間、祭礼九月九日・奉祀中村求馬 村の西南の林中にあり。産神なり。祭る所天照太神田心姫命・大己貴命なり。里民は応神天皇二年に鎮座し給ふといへとも、後土御門院、応仁二年(一四六八年)なるを誤れるにや。
と記述され、江戸時代から東郷村の鎮守さまでした。
神社はタイムカプセル!
参拝のあと境内を巡ります。鳥居・狛犬・灯籠・手水鉢等石造物の年号や社殿の意匠を見てまわります。
刻まれた年号は、天明・寛政・文久など江戸後期18世紀からのものがあります。鳥居は参道に4基、矢房宮・矢房宮・伊久志神社・貴船神社の額。狛犬は拝殿に向かって右が阿形(口を開いた)の獅子で、左が吽形(口を閉じた)の角のある狛(イヌ)です。ちなみに宗像大社の神門前の青銅狛犬は左右とも角を持つ狛です。さて、拝殿庇の貫に鯉に乗る人物の彫刻。その下に源氏車(神紋?)が取り付けてあります。鯉に乗る彫刻は中国周時代の琴高という仙人です。この仙人は、太宰府天満宮本殿の欄間や日光東照宮の陽明門の彫刻など、アチコチに居るようです。
境内社の祇園神社では御神体の石を、扇貴船神社・大靈神社・寶満神社・蛭子神社(4社を1つの祠に)の棟には兎のような土面を見ることができます。狭い空間で見上げると兎に見えます。そして手水鉢に盃状穴など。2時間があっという間に過ぎてやはり「神社はタイムカプセルだ」と思うわけです。〈船〉