その他日の里 寄り道 散歩道 ② 団地の中の東郷高塚古墳
- 更新日:2019年06月28日
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広報日の里2019年7月号から転載
団地の中の東郷高塚古墳
1650年ほど昔にタイムスリップしてみましょう。今回は日の里3丁目の東郷高塚古墳を訪ねます。団地の中に古墳が存在することを知らない、聞いたことはあるが場所がわからないという人が結構おられます。「ココカラひのさと」から東へJRの線路に沿った道を200mも行けば 住宅の上にこんもりとした林が見えてきます。これが目的の東郷高塚古墳。歩いて約20分で到着です。
日の里12号公園内で古墳公園と呼ばれています。古墳への階段上に「イノシシの罠を仕掛けているので立ち入り禁止」「マムシに注意」の表示がありました(6月1日取材)。階段から見まわすがどれが古墳かよくわかりません。持参のパンフレットで概要を知ることができました(パンフレットは「海の道むなかた館」に置いてあります)。
古墳時代前期(4世紀後半)の前方後円墳で、全長は64・4mあり宗像市内では最大の古墳です。後円部の直径は38・9mで、この後円部に死者を埋葬した割竹形木棺(わりたけがたもっかん。大きな丸太をタテ半分に割り、中をくりぬいて棺としたもの)を粘土でくるんだ粘土槨(ねんどかく)と呼ばれる施設がありました。木棺は腐敗しその痕跡しか残っていませんが長さは5・4mあり、北部九州最大級のものです。公園内に3基の円墳とともに残されています。
もう一つの幻の古墳
日の里には「スベットウ古墳」というもう1基がありました。場所は跨線橋「ひのさとおおはし」近くです。こちらも前方後円墳で全長約35m。古墳時代後期(6世紀頃)で東郷高塚古墳より時代が下ります。ガラス製小玉、鉄製品、須恵器などが見つかりました。今では家々が建ち、地図でしか知ることができない幻の古墳です。ところで「スベットウ」とは何でしょう。遺跡や古墳にはよく字名が付けられますが字にも小字にもありません。不詳と聞きました。〈船〉