その他日の里学園の「小中一貫コミュニティ・スクール」㉕
- 更新日:2023年01月27日
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広報日の里2023年2月号から転載
暮らしに目を向けた中学生
日の里学園では、総合的な学習の時間の中で、①「地域活性」と②「福祉・防災」を2本柱とした「日の里カリキュラム」に基づいて様々な地域学校協働活動が行われています。今回はその中の8年生の「日の里バージョンアッププロジェクト」の学習について紹介します。
この学習は、「日の里地域を活性化するために、どのようなことができるかを自分たちで考え、地域や市役所の人たちに提案して意見をもらい、実現の仕方を考え、創意工夫して行動する」ことを目的としています。今年度は110人の生徒が①ベンチ作りチーム(日の里のまちに高齢者が散歩や買い物途中で休憩場所として利用できるベンチの作成)、②地図作りチーム(日の里に住む人たちや日の里に訪れる人たちに役立つ情報地図の作成・発信)、③絆会・フリーマーケットチーム(その資金として各家庭で不要になった物を集め、フリーマーケットの実施)の3チームに分かれて活動を実施しました。
暮らしを支えるベンチ
この学習の中で完成したベンチは、①日の里地域包括支援センター前、②日の里2丁目の公園、③日の里8丁目の公民館前、④日の里1丁目の大和様宅前の4か所に設置されています。
ある日の午後、私は1丁目大和様宅前に設置されたベンチに座っているお年寄りを偶然見かけました。自己紹介をし、お話をうかがいました。この方、9丁目在住で御年なんと94歳。「郵便局への行き帰りにいつもこのベンチを使わせてもらっている。ベンチが無かった時は大変だったのでとても助かっている。中学生が作ったというのも読ませてもらった。大変ありがたい。」
そう語る方の横にはメッセージボードがありました。そこには、大和様直筆で、「ベンチを設置した理由、約20年間のベンチのメンテナンス、数年前に壊れて寂しい思いをしていたこと、思いがけずベンチを作ってくれた中学8年生への感謝、引き続き地域の方々に気軽に利用してもらいたい思い」などのメッセージが書かれていました。
日の里住民のより快適な暮らしの実現を考える中学生。その思いを感じ、感謝しながら日々の生活を送る住民。このような光景がごく自然に見られる日の里は「すごい地域だなぁ」としみじみと感じています。
(地域学校協働活動推進員木村政一)日の里地域包括支援センター前 日の里8丁目の公民館 日の里1丁目の大和様宅前 日の里2丁目の公園