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その他日の里夜話④  ごみ処理で三方一両損

更新日:2021年07月29日
広報日の里2021年8月号から転載


 車で東郷駅から日の里大通りを南下し、国道3号に出て福津市に向かってすぐ、英ちゃんうどん店があった。今は長距離トラックの駐車場になっているここの真向かいの荒地が、平成初期の7年間にわたり日の里住民と産廃処理業者の攻防の舞台だったことを知る人はまだ多数ご存命だろうが、10年ごろから後に移ってきた方々は初耳といわれる方も多いのではないか。
 許斐山のふもと、大字村山田に属するこの地一帯は、小さな池や沼が散在する荒地だが、国道3号沿いなので交通は便利だった。坂本工業という産廃処理業者がそこに目を付けて廃棄物焼却炉建設に着手し、平成2年5月に産廃焼却炉の設置届を奥田八二知事に提出した。
 それを知った日の里の住民が、①工場から排出する煙とガスが大気汚染を招く②出入りする産廃物積載トラックが騒音と事故の元になる、という理由で反対運動に点火した。その炎はたちまち日の里全体に広がった。
 それからは坂本と住民のいずれもが一歩も引かない対決を続けた。県は認可した手前もあり、坂本の肩を持つと住民は反発する。平成4,5,6年と3回にわたり坂本は強行着手を図ったが、そのつど、住民が座り込み戦術で阻止した。
 この間、宗像市は環境保全条例により、坂本に計画廃止勧告を通告したが無視された。住民は直ちに工事禁止の仮処分を福岡地裁に申し立てた。坂本は廃止勧告無効の確認訴訟を起こして応酬した。
 裁判では住民側が連敗だった。市の廃止勧告は坂本の無効確認の訴えを認め、住民の工事禁止仮処分の訴えは福岡地裁で棄却された。
 それにひるまず平成6年3月に1340人を連ねた原告団が、工事禁止の本訴訟に踏み切った。7年6月に逆に坂本が宗像市と住民代表25人を相手取って3億円の損害賠償を起こし、泥仕合の様相を呈するに至った。
 その最中の8年3月、福岡高裁から職権による和解協議が宗像側と坂本に示された。さらに事態を急転させる提案が、滝口凡夫宗像市長から提示された。坂本が持つ焼却場用地を市が買い取ると言いうのだ。これなら坂本も損はしないし、反対派住民も矛を収める。市は市で市有地として保持していく。利用方法はいずれ考えればよろしい。三方一両損というか一両得という妙案だった。
(つづく)

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