その他日の里 寄り道 散歩道⑧ 新修宗像市史と調査
- 更新日:2020年01月30日
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広報日の里2020年2月号から転載
昨年3月に『新修宗像市史』第1巻「うみ・やま・かわ 地理・自然」が配本されました。玄海町・大島村との合併10周年記念事業の1つとして編纂が進んでいます。
編纂の基礎資料調査の市民協力員として寺社や宮座の調査に参加してきました。一昨年晩秋の宮座調査では、貴船神社(日の里)そして稲元八幡宮(稲元)、光岡八幡宮(光岡)を担当。貴船神社は前回掲載の矢房神社に合祀の貴船神社のことです。
みやざ【宮座】部落の祭祀組織。特定の家に属する者、または氏子の一定年齢に達した男子(女子を含む所もある)によって構成され、順番に定められる頭屋(とうや)が中心となって祭祀を行う。中世、近畿に多かった。(『広辞苑』)
神社の氏子全体のお祭りではなくて、限られた一族・一統の祭事ですから普通に参加することなどないのは当然で見学する機会もありません。初めての体験でした。市内の神社には廃れたところもありますが、簡略されながらも伝統を守る宮座がいくつかあります。
貴船神社の宮座
貴船神社のご祭神は高龗
(タカオカミ)神、保食神で水の神・食物の神で農村に大事な神様です。
宮座の流れを簡単に追ってみましょう。
9時すぎ、境内の清掃始まり、拝殿奥に神鏡・机が持ち込まれる。本殿の内を整え、拝殿奥に軸「貴船神社」が架けられる。内陣に鏡台3基を置き八稜鏡(に見えた)3面を飾る。作業の合間に質問をさせていただく。10時すぎ宮座が始まる。拝殿のイスに7名が着座している。当場(頭屋)により宮座が進行する。柏手、祝詞、玉串奉奠と進み、
「無事におさめさせていただきまして…滞りなく…」で終了。この間約5分。準備や片付けに時間を要します。宮座のあとは直会会場に移動。
団地の中の深とした空間、ぜひ訪れてください。「神社はタイムカプセル」の思いは変わりません。
〈船〉